私たちは屋久島の森林鉄道の復活利用を目指す
「NPO法人屋久島森林トロッコ」です。
屋久島には日本で最後の森林鉄道が生き続けています。
屋久島といえば縄文杉登山ルートに現れるトロッコ道が有名ですが、そのトロッコ道の軌道の先には、地図には載っていない日本で最後の森林鉄道があります。安房川に縫うように巡らされたその軌道を進むと、数々の美しい渓谷や、手掘りのトンネル、川を渡る鉄橋など、見たことのない屋久島の風景が次々と現れます。この森林鉄道は大正後期に敷設されて以来、山岳部の豊富な森林資源を里地へ運ぶ輸送手段として大切な役割を持っていました。しかし屋久杉伐採が計画量を満たしたことにより昭和45年に事業所は閉鎖し、その後も土埋木(屋久杉の古い切り株)の搬出を担っていましたが、平成21年にその幕を下ろし、現在では屋久島の水力発電を担う屋久島電工の発電所管理用として生き続けています。
観光地・屋久島の抱える様々な問題を解決します。
世界自然遺産である屋久島は世界中から観光客を集める島ですが、縄文杉への登山客が集中し、登山道の荒廃やトイレ不足、入山者の制限の必要性、里の観光への誘導対策など様々な問題を抱えています。私たちはこれらの諸問題を森林鉄道の観光への復活利用により解決できると考えています。登山だけではない屋久島の魅力を多くの人に楽しんでもらう観光資源として、そして未来を考える学習資源としての価値も高めていきます。
過去から未来へ、新しい価値を運ぶ鉄道として。
豊かな自然ばかりが注目される屋久島ですが、世界自然遺産としての屋久島の真の価値は、「優れた自然を残しながらも、多くの人たちがそこで暮らしてきたことにある」と言われています。そこには自然を利活用しながらも、自然を尊び、自然と調和してきた人々の暮らしがあります。森林鉄道はその暮らしの歴史を物語る上で、重要な「産業遺産」「文化遺産」と言えるものです。人と自然の共生は地球全体の永遠のテーマです。屋久島森林鉄道は新しい観光資源としてだけではなく、この地球の未来を考えるための「学習資源」としての価値があります。そしてこのプロジェクトには、世界自然遺産・屋久島としての使命と、未来への夢が込められているのです。